倉橋亮子(町田市中町在住)
FILIGRANO  
住所:町田市中町3−10−6 COMMUNE BASE マチノワ

神戸で生まれ、父親の仕事の関係で千葉に移り住みました。映画好きの父親に連れられて小さな頃から頻繁に映画館でロードショウを観ていました。それがきっかけで映画会社への就職を目指しましたが、残念ながら願いは叶えられませんでした。大学を卒業後は一般企業に事務職として勤めていました。
結婚後暫くし、たまたま立ち寄ったショップにて、とあるアクセサリーに出会いました。それは純銀ワイヤーをかぎ針で編んで作ってある “純銀クロッシェ”のアクセサリーで、編み物と金属が融合しているところがとても魅力的に思え、自分でも作ってみたくなりました。この出会いがハンドメイドの世界に入ったきっかけになりました。
編み物といっても糸とワイヤーでは全く素材の癖が違うので、編むときのコツも違います。私は糸を編んだことが無かったので先入観や慣れが無かったのが幸いし、ワイヤーの編み物に抵抗なく慣れることが出来たと思います。思えば小さな時からものづくりが苦手で編み物などやったことがない私がこの世界に入ったのが不思議です。技術習得後に純銀クロッシェの認定インストラクターとなり、秦野・横浜などのカルチャーセンターで講師を勤め始めました。
そして講師活動の傍ら、オリジナルデザインの追求をするようになりました。「大人の女性が普段使いできる」事をコンセプトとし、ワイヤーの種類を純銀から様々な素材に広げ、またシンプルにワイヤーの編み地を前面に押し出したことで、繊細で軽く柔らかい実用的なオリジナルのアクセサリー作品を幾つも生み出せました。これらの作品をもって、アクセサリー作家としての活動を本格化しました。
渋谷の東急文化村で開催されたBunkamura craft collectionへの選考通過を皮切りにクラフト展への出展をしたり、また企業コラボによるイベント出店にお声掛けを頂き参加したりもしました。また渋谷の東急ハンズギャラリーに出展していた際には、その様子をテレビ番組(ガイアの夜明け)で紹介されたこともあります。これらのイベントで手にとってもらえるお客様が予想以上にいらっしゃった事で、少しずつ作家としての自信がついていきました。
その後、セレクトショップからもお声がかかるようになり、現在はコトモノマルシェとthingslyなどといった販売チャンネルで常時10店舗近く、他にも期間限定イベントとして駅構内やデパートの催事スペースでの出店といった形で全国様々な場所で作品をお届け出来るようになりました。そうした店舗でご好評を頂き、昨年は年間で2,000個以上の作品を製作しましたが、少し無理をしたことで手首を痛めてしまったりしたので、残念ながら生産量を調整したりしています。
ワイヤーは編み直しが出来ない素材なので、丁寧にひと目ひと目時間をかけて編むことに拘っています。この手作りならではの拘りが多くのお客様からの支持を得ることが出来ていてとてもうれしいです。今後も今まで以上に技術とデザインを磨き、一つでも多くの新しい形を生み出し、金工芸として高めて沢山の方に作品を届けていきたいと思っています。