佐々木辰生
大島万由子
(町田市三輪町在住)

佐々木写真事務所

佐々木辰生さん

佐々木辰生さんは北海道の苫小牧市出身。中学生の頃から写真が好きで仲間と北海道の雄大な風景を撮りに行ったり、部屋を改造して暗室を作ったりと写真に夢中になる。高校3年の時には夏のアルバイト代をつぎ込んでニコンの最新鋭の一眼レフを購入。その頃には漠然と写真で食っていこうと考えるようになる。
卒業後は北海道を離れ、都内の写真スタジオで働き始める。スタジオがあった場所は麻布。撮影の第一線の現場で照明の技術と知識を一から学ぶ修業時代を過ごし、自らシャッターを切るようになる。商品、料理、建築、人物などあらゆる対象を撮影する。一度北海道に戻るも、38歳の時、再び上京。徐々に仕事の幅を広げ、雑誌、広告だけでなく、大学入学ガイド、中学美術教科書など幅広いジャンルの撮影を手掛ける。
2008年には大島万由子さんと結婚し、共同での仕事も受注するようになる。今年で写真家人生は38年。パートナーの大島万由子さんは写真家の先輩である佐々木さんを「環境に応じ、適したライティングを選択し、クライアントのイメージを捉えた撮影、特に料理、建築、商品では高級感ある洗練された写真を撮る」と評する。

大島万由子さん

北九州市で生れる。父親の転勤に伴い高校2年の時上京する。料理と美術が好きだったので家政か美術系への進学を考えたが日本女子大学の家政学部食物学科に進学する。卒業後は栄養士の資格を生かした職に就いたものの1年で退社し趣味だった写真の世界に飛び込む。ブライダルをメインとする写真スタジオに就職する。主に結婚式のスナップ写真を担当し、写真スタジオではポートレートの撮影やホテルメニュー、建築の撮影も学ぶ。
26歳で独立、指名制のブライダルスナップ事務所と契約し、国内だけでなく海外にも出向く。その頃、夫となる佐々木さんと出会い、経験豊富な佐々木さんから照明を使った撮影テクニックを学ぶ。佐々木さんと同じく雑誌や広告で多ジャンルの撮影を手掛けるようになり、モデルやタレントを起用したヘアメイク撮影でも活躍する。
そして、32歳で結婚し一人娘を育てる。その場の空気を伝える雰囲気ある写真が得意で、イメージを切り取り「伝える」ための勘がはたらくタイプと自らを評している。フリーランスで活動する傍ら、佐々木さんと共同で大学入学ガイドや中学美術教科書などを手掛け、個人経営の小さな会社やお店の広告、地域情報発信の案件なども受注している。

佐々木写真事務所の今後 

写真は今後どんな方向に向かうのか。どのような場面で使われるようになるのか。情報発信の媒体がTV、新聞、雑誌からWebやSNSに移行しつつあり、その変化のスピードはとても早い。大企業だけでなく、個人経営の小さな会社やお店もWebやSNSを中心に自ら情報発信している。「写真もWebやSNSでいかに使われるかを考える時代を迎えている」と佐々木さんは言う。写真もただ撮影してみせるだけではなく、新しい見せ方、新しい伝え方を表現していかなければならないと。だからこそ佐々木写真事務所はWebやSNSで必要とされる動画やパノラマ写真といった新しい写真技術に力を入れている。2012年からパノラマ撮影をスタート。パノラマVR、オブジェクトVR、ギガピクセルパノラマに動画制作とフィルム大判カメラ時代からの知識と技術をベースに新しい写真技術の獲得に怠りない。
また、町田市に居を構えて10年になるが、これまでは都心にある出版社や広告代理店からの仕事が中心だった。これからは町田やその周辺にある会社やお店など身近な仕事を増やし、地域に根差す活動を進め、自力でSNS広告を出さねばならない個人経営のお店の力になっていきたいと考えている。

(インタビューを終えて)
写真を通して出会い、結ばれ、仕事を共にする。お互いを尊敬し、信頼している様が伝わってきました。お二人にインタビューをしながら「幸せな人生を送っているな」と思いました。
マチノワのホームページで使用している写真は佐々木写真事務所に撮っていただきました。自分では気づかないマチノワの魅力を写真で表現してもらいました。

(インタビュー・文/山本満)