松崎浩平(町田市本町田在住)
MACHIDA Nub
開業:2017年
所在地:町田市中町3−4−3
Instagram:https://www.instagram.com/nub_texmex
◌起業まで
中学時代、「料理の鉄人」で活躍する同郷のフレンチシェフの坂井さんに憧れて、料理の道を目指すことを決めました。そして、調理科があった地元鹿児島の高校に進学しました。
卒業後、大阪の料理店を経て、所持金8万円を握りしめてカナダに渡り、バンクーバーの日本料理店で働きました。1年間働いたこの店で、プロの料理人としての基礎を学びました。
一度、日本に帰ってから、今度はオーストラリアのメルボルンにある日本料理「花膳」で働くことに。ここで、生涯の師となる原田さんと出会います。若い時、台湾に渡って中華料理を身につけ、それからフレンチ、日本料理へと進んだ異色の人です。この人からはいろいろなことを教えてもらいました。月々の給与のほとんどをつぎ込んで、オーストラリア中の名店を食べ尽くしたのもこの人の助言があったからです。この店では創作料理にも挑戦し、自作の「カッペリーニの和風海鮮」や「海老のマンゴーサルサソース和え」は大ヒットしました。
そんなことが評判になってメルボルンにあった日本料理店にスカウトされます。この店ではヘッドシェフとして、たくさんの若い料理人を育ててきました。人を教育することの難しさも知りましたし、若いスタッフがどんどん成長していく姿を見ると無性に嬉しかったですね。この店で7年、オーストラリアには10年間です。
妻の出産を契機に帰国し、代官山にオープンするメキシコ・テキサス料理の「ブルージャムカフェ」にヘッドシェフとして働くことになります。この店はロサンゼルスに本店があり、オープン前に現地研修に行く機会がありました。これがすごく刺激的な体験でした。向こうのスタッフは全員がすごく陽気で、仕事をエンジョイしている。キッチンもホールも歌い踊るといった具合。「踊るキッチン」「歌うホール」ですね。オーダーストップする午後4時にはビールで乾杯。日本に帰りたくないと思ったぐらいです。仕事は楽しむこと。自分の仕事観を変える体験でした。
◌起業から
1年間勤めた代官山店を退職し、町田市中町にメキシコ・テキサス料理の「Nub」を2017年5月に開業しました。家族と過ごす時間を大切にしたいと考えて、住まいのある町田で開業することにしました。町田の人が食べたことのないメキシコ・テキサス料理をやってみようと思いました。ロサンゼルスのブルージャムカフェがあんまりにも楽しかったので、その影響もあります。
今、楽しいです。自分がオーナーシェフ。失敗も成功も自分次第。いろいろなことに挑戦できます。私一人の小さなお店ですから、作った料理をお客様が目の前で食べる。お客様の反応が直に伝わってきます。自宅からバイクで6分。家族との時間もたっぷり取れて、妻も4才の娘も大喜びです。最高です。
◌私の未来
当面は売り上げを増やすため、ケータリングを充実させること。中町が賑やかになるようにイベントも企画しています。将来は町田にもう一つ店舗を持ちたいですね。