伊藤幹太(横浜市在住)

YADOKARI株式会社

伊藤幹太さんは1995年生まれの25歳。父親の影響で幼い頃から少林寺拳法に打ち込み、アルペンスキー部でも活躍するなどスポーツ万能。勉強も出来たようで文武両道の優等生。そんな優等生も高校3年でその路線から外れることになる。徐々に学校の外に目が向くようになる。これはと思った本に出合うと著者に会いに出かけるように。明治学院大学で教鞭をとっていたアフリカ研究の勝俣誠氏の著書を読んで、直接会いに行き教えを乞うたこともあった。本人は見知らぬ人に会うのに躊躇したというが、抑えきれない好奇心がそれを乗り越えさせたのだろう。

中央大学の総合政策学部に進む。ここでも当然のように学校の外の世界に目を向ける。興味のある専門家の話を聞きに行ったり現場を訪ねるなど活動は益々精力的になる。大学時代から「食」や「農業」に関心が高く、全国いろんなところに出かけて行った。完全無農薬で野菜を育てる赤嶺勝人氏を大分県臼杵市にある農場に訪ねたこともあった。

大学を卒業し木造建築の会社に就職する。ここで働きながらも伊藤さんの好奇心は衰えず、本を読んでは面白そうな人に会いに行く。そこで出会ったのが現在勤務するYADOKARI株式会社共同代表の一人ウエスギセイタ氏。また、偶然にも同時期に同社が運営するTinys Yokohama Hinodechoに出会う。映画上映を友人と二人で企画し、上映会場を探し黄金町にあるTinysに行き着いたという。その映画会はTinysのイベントの中でも大きな盛り上がりを見せた。この施設とYADOKARIが気になった伊藤さんは建築の会社の営業が終わる夜間や週末にTinysに足繁く通ってイベント企画を勝手に手伝い始める。そして、半年後、メンバーの誘いもありYADOKARIに入社する。そして今は同社の中核メンバーとして数々のプロジェクトに関わっている。

町田シバヒロプロジェクト

小田急町田駅から徒歩4分のところにある芝生の広場。芝生以外はベンチ、トイレ、小さな管理施設があるだけ。何もないところが良い。そんなシバヒロをもっと市民に身近なものにするための仕掛けを考えているのが伊藤さん。今までもビール祭りなど大きなイベントは開催されていたが、市民自らが企画するイベントが日常的に開かれるような状況を作りたいという町田市の考えを実現するため活動を続けている。昨年は「町田一箱古本市」「朝読書」「ヨガ」「秋のシバヒロゆる煎茶会」「移動映画会」などのイベントを開催した。移動映画会では1,000人を超える市民が集まったそうだ。こうしたイベントは伊藤さん達YADOKARIのスタッフが企画してきたが、今後は市民自らが企画し、YADOKARIは裏方としてそれを支える立場になることを目指している。市民の力だけでイベントを開催するのはハードルが高いがPRを手伝ったり設備や機材を提供するといったサポートがあればそのハードルを越えられると思っている。今年から市民主催を増やして行こうと準備を進めている。

町田の可能性 (町田の可能性について伊藤さんに聞いてみました。)

交通アクセスや利便性が良いというだけで街は生き残れないと思います。固有のカルチャーがあって暮らしていて楽しいと感じられる街だけが人々から選ばれるのではないかと。町田は東京郊外にあって、アンダーグラウンドな文化が息づく数少ない街。学生時代から町田に通っていますが、街を歩くと人を虜にするような人やお店に出会います。町田でしか出会えないこうしたメジャーではない街固有のカルチャーを大切にして欲しいですね。

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インタビューを終えて
街を変革していく力を持つのは若者、女性そしてよそ者。縁あって「シバヒロ」に関わった伊藤幹太さん。その力でシバヒロという場を通して町田の街に強い風を吹かすことだろう。これからの活躍に注目したい。
縁あって知り合た伊藤さんとYADOKARI株式会社をもっと知りたいと思いインタビューをお願いしました。伊藤さんやYADOKARIが行っている仕事・活動が社会や地域から求められる時代なんだなと感じたインタビューとなりました。

(インタビュー・文/山本満)

YADOKARI株式会社

YADOKARIの事業は「メディア・プロモーション企画制作」「遊休不動産・可動産活用プロデュース」「建築リノベーション・設計施工」「まちづくり支援イベント企画運営」と多岐にわたっている。YADOKARIの原点ともいえる自社メディアにはFacebookで約10万人ものファンがいる。
YADOKARI の行動指針が良い。伊藤さんの生き方にも通じるところがあると思うので一部を紹介したい。

  • 今を生きる … 過去を悔やみ、未来に怯えることは不毛。今という一瞬に集中して生きることで、まだ見ぬ可能性を引き出し、人生を成長させる。
  • 好奇心に従う勇気 … 好奇心と恐れは表裏一体。静寂の中で湧き上がる魂の声を勇気を持って選択する。
  • 固定観念や慣習に囚われない … 創造性は無限大。合理性を一旦傍に置いて本質を捉え、新たな価値を生むクリエイティブを考え抜く。
  • やり抜く価値 … やりたいことがあるなら、やるべきことを全うし、時代の流れを掴む。